ウィメンズヘルス

妊婦さんの骨盤帯痛への介入方法

妊婦の腰痛 種類と原因

画像

妊婦さんの腰痛には2種類あって

■ 姿勢由来の腰痛
■ 骨盤帯の不安定性による腰痛

があります。
腰痛が起こる原因としては

■ 腹部の矢状径、水平径
■ リラキシン分泌量

が関連すると報告されており、

1 妊娠中の体重増加
2 新生児体重
3 出産回数
4 妊娠前の肥満度
5 体の柔軟性
6 妊娠中の姿勢

に関しても腰痛と関連するとの報告が
少しずつなされてきています。

 

コチラの記事で
\ 妊婦さんの腰痛についてまとめました /

https://www.mamareha.com/mamabackpain/

リラキシンホルモンの分泌による影響

画像
 

妊娠期間中、リラキシンホルモンが分泌されます。

このホルモンは、分娩時に骨盤内を骨産道として赤ちゃんが通り抜ける際に、恥骨結合や仙腸関節の可動性を高めて赤ちゃんが通りやすくするために分泌されます。

このホルモンにより仙腸関節と恥骨結合の靭帯が弛緩するのですが、妊娠4ヶ月頃から始まって7ヶ月頃まで持続し、恥骨結合は上下方向に広がるとされています。

靭帯の弛緩性が増すことで骨盤帯が不安定となり

□ 仙腸関節痛
□ 殿部痛
□ 鼠径部痛
□ 恥骨結合痛

 

などの症状が起こるとされています。

ちなみにこれらは単独で痛みが出る方もいれば
複数の部位に痛みが出ている方が多い印象です。

そして、不安定さが原因なので
身体を動かしたときに痛みがでやすい傾向です。

\ ちなみに私も… /
右側への寝返り動作時や
長座位姿勢後の立ち上がり時に
右殿部に疼痛が出てしまいます(T_T)

臨床的な介入方法

画像
 

自分の腰もイテテなんです…と言いながら
こんな記事を書いているのもアレなんですが…

以前、外来に来られた腰痛の妊婦さんも
この骨盤帯の不安定さによる腰痛でした。

たまたま1人目の出産時期と病院が一緒だったらしく
覚えてますよ!食堂でお話ししましたよね!
と言ってくださってビックリでした。

そんな方が、上の子を連れて(娘と1日違いの誕生日)
2人目の妊娠中に腰痛があるからと来てくださり

これはより一層頑張らねば!!!
と感じたのを思い出しました。

さて、本題に戻ります!

その方とのリハビリ時にも行った
評価方法〜介入をご紹介していきます✦ฺ

評価方法

私が臨床でよく使うのはこの2つです。

このラインより上のエリアが無料で表示されます。

■ Active SLRテスト

下肢挙上の際の体幹動揺や内省を評価します。

・ASISから骨盤圧迫→腹横筋
・PSISから骨盤圧迫→多裂筋
・恥骨結合ラインから骨盤圧迫→骨盤底筋群
・胸郭圧迫→横隔膜・胸郭

 

圧迫することで各筋の働きを補助し、どこの機能低下が原因で不安定性が起きているかを評価します。

■ 仙腸関節スペシャルテスト

distraction test
compression test
thigh thrust test
sacral thrust test

 

この4つのうち2つが陽性であれば仙腸関節障害がある可能性が高いと判断します。
(各testにリンク貼ってますのでご参照ください)

介入方法

骨盤帯の不安定さへは4つの視点で介入します。

□ インナーユニットの強化
□ 仙腸関節へのストレスを減らす
□ 骨盤ベルトを利用した補助
□ 負荷をかけないADL指導

 

インナーユニットの強化は骨盤帯痛の有無に限らず、妊婦さんや産後ママへの介入では重要視されています。

骨盤由来の腰痛に対して、腹筋群のエクササイズを行うことで腰背部痛が有意に減少した

Garshabi A,Faghih Zadeh S

との報告もあるため、妊娠中からもインナーユニットの活動を賦活していくことは大切です。

方法としては様々ありますが
私は、シンプルに呼吸と腹横筋、骨盤底筋群の働きを促していきます

画像
 

背臥位 膝立て位で腹式呼吸を用いながら
腹横筋・骨盤底筋群の収縮を促します。

妊婦さん、産後ママともに深い呼吸が難しくなっている方が多いので、その原因も探りながら行っていきます。

・呼気時に骨盤底を下に押し出すような力の入り方になっていないか
・下腹部が膨隆するような力の入り方になっていないか
・腰部や下肢、頸部などに力が入りすぎていないか

 

という部分もしっかりと確認していきます。
こうなっているとインナーユニットが上手に使用できていません。

【注意!】
妊娠中の場合、腹大動脈を圧迫することによる仰臥位症候群に注意が必要なため、長時間の背臥位は避けるようにしましょう!

背臥位で腹横筋や骨盤底筋群の収縮の理解・内省が
行えたら端座位→立位へと移っていきます。

各姿勢で収縮感覚が掴めたら、
・上肢のリーチ運動
・骨盤ー股関節を連動させた運動
・体幹の回旋運動
などに移行していきます。

腰痛患者は健常者に比べ、四肢を動かす際の腹横筋活動の遅れが見られる

Hodges PW

との報告もありますし、
産後は赤ちゃんのお世話で腕を使う機会も増えるため、インナーユニットを働かせた状態での四肢の自由な運動を行える状態にしておくことは大切ですね。

一見地味な運動ですが、最初から上手にインナーユニットを使えている方は少なく、腰椎前弯させ脊柱起立筋の働きが強かったり、腹斜筋の収縮が強かったりする方が多いです。

インナーユニットの活動性を上げていくためには、収縮感覚が掴めるまで繰り返し運動学習を行っていく必要があるので、妊婦さんにも運動の必要性をしっかりと理解していただかなければいけません。

また、骨盤の不安定さは産後3〜6ヶ月かけて元の状態に戻るため、骨盤ベルトを上手く利用してインナーユニットの補助を行うこともお勧めしています。

骨盤ベルトの使用方法についてはこちらの動画で解説しています!

\ 骨盤ベルトの巻き方 /

\ 妊娠中でもできる呼吸エクササイズ /

 

今回ご紹介した呼吸を用いたインナーユニットのエクササイズ以外にもこちらの動画でご紹介しています!


\ 妊婦さんの体を守る動作指導 /

今日もここまでお読みいただきありがとうございました!

コメディカル起業 無料講座

家族優先の働き方でも“きちんと”稼ぎ、お客様に感謝される。そんなビジネス設計の方法をお伝えしています!