今日は「腹圧性尿失禁の理学療法」と題して
記事を書かせていただきます✦ฺ
今日も最後までお付き合いの程よろしくお願い致します!
腹圧性尿失禁とは?
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71834788/picture_pc_78ee91399945430972bfb62a48eaa4fb.png?width=800)
尿失禁にはいくつかの種類があるのですが、
その中でも一番多いとされているのが
腹圧性尿失禁。
咳やくしゃみなどの腹圧上昇時に、
膀胱が収縮していないのに尿が漏れ出てしまいます。
原因は大きく2つで、
■分娩や加齢に伴う骨盤底筋群の緩み
■膀胱頸部、 尿道の過可動性
腹圧時に膀胱内圧のみが上昇して
尿が漏れてしまいます。
このうち29%が切迫性尿失禁の症状も呈しており
症状が混合した「混合性尿失禁」になると
されています。
この腹圧性尿失禁は、
出産や更年期など女性のライフイベントにより
骨盤底筋群が弱くなり、膀胱下垂や尿道括約筋不全が
起こってしまうことから、
「骨盤底筋群トレーニング」の有効性が示されています。
尿失禁の分類や概要について知りたい方は
コチラからどうぞ!
![](https://www.mamareha.com/wp-content/uploads/2023/04/20-320x180.jpg)
なんで尿失禁には骨盤底筋群が必要?
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71834806/picture_pc_301e64d3e68950876a670389d2202c7e.png?width=800)
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尿失禁には骨盤底筋!
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と最近ではよく聞くようになりましたが
これってなんでだと思いますか?
答えは骨盤底筋群が
尿禁制のメカニズムに関わってくるからです。
骨盤の中には臓器があります。
前から膀胱・女性には子宮・直腸。
これらの臓器は靭帯や膜で支え合っています。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71834814/picture_pc_b6785737623b5225cd8fe16caf228971.png?width=800)
その中の「恥骨尿道靭帯」が、
出産などによって緩むことによって
尿道が固定されず、骨盤底筋群のひとつの
「恥骨尾骨筋」の収縮力が弱まってしまいます。
その状態で腹圧上昇負荷がかかることで
尿失禁が起こってしまいます。
女性は、
出産という骨盤底へ負担のかかるイベントを
経験する方もおられますし、
更年期以降は女性ホルモンの変化で
骨盤底筋群が弱化しやすいです。
また、尿道の裏打ちが可動性に富む「膣」
であることから構造的な弱点を抱えています。
だから女性の方が尿失禁に悩む方が多いし
腹圧性尿失禁には骨盤底筋トレーニングがいい!
と言われているのです。
骨盤底筋群の構造についてはコチラの記事に
詳しくまとめていますのでご参照ください!
![](https://www.mamareha.com/wp-content/uploads/2023/04/20-320x180.jpg)
骨盤底筋への運動療法
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71834822/picture_pc_2e480ccfcaeaa3b53ac742bf5b04e678.png?width=800)
上の記事でもご紹介していますが
骨盤底筋群は、インナーユニットとして
体幹の安定性に貢献するので、腹圧性尿失禁の
リハビリ以外にも大切になります。
骨盤底筋群の解剖については
上の記事で紹介していますが、
運動療法を提供していくにあたり、必要になる
ことがまだあったので今回ご紹介していきます。
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それは、骨盤底筋群の筋繊維について。
骨盤底筋群は休息時にも活動しており、
骨盤底筋群は場所によっては遅筋線維が95%を占める。
姿勢を保持する作用として働く。
(引用:PTジャーナル 第47巻第10号 2013年)
とされています。
より細かいことを言うと、
TypeⅠ繊維の割合は、
恥骨尾骨筋の前方で67%、後方部76%
尿道周囲の肛門挙筋の95%
とされており、
姿勢保持として働くのに適した筋肉です。
もちろん咳やクシャミにとっさに
対応できるように速筋線維もあります。
ですが、多くの部分が遅筋線維。
これもエクササイズ提供をしていくうえで
考慮しておきたい点ですよね。
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71834841/picture_pc_0b3a2815b5011edfab764380d34198d4.png?width=800)
例えば
骨盤底筋群の単独収縮ができるようになってきたから
腹圧動作時に止める課題に一気に移行するのではなく
・持続収縮時間を伸ばす
・抗重力位に移行していく
・上肢課題を入れていく
・ADL上(家事動作中など)に取り入れる
などの段階上げがベターと考えられます。
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また、これも運動療法を提供していく上で
理学療法士的な視点として取り入れて
いきやすいのがこの知識。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71832023/picture_pc_5053fc6aeaca82789e50525dd903e689.png?width=800)
こちらは姿勢と骨盤底筋群に関する論文。
ざっくりまとめると「骨盤後傾・腰椎後弯すると骨盤底への負担がかかりやすいので、骨盤底筋群の効かせやすいアップライト姿勢で保持できるようにしましょう」ということなのですが、
わたしが臨床で行っているのは
①骨盤のアライメントを評価(仙骨ニューテーション、カウンターニューテーション、捻転など)
②骨盤後傾位や腰椎後弯姿勢は改善できるものであればそこへアプローチ(この方法はまた後日書きます)
③骨盤底筋群のエクササイズを開始
④セルフエクササイズ方法の指導
⑤ADL指導
この順番が多いです。
骨盤底筋群のセルフエクササイズは必要ですが
それと同じくらい、日常生活での姿勢動作指導も
大切になると考えています。
例えば
・座位姿勢(骨盤後傾位の持続にならないように)
・腹圧動作があるか探り、代償方法のお伝え
・トイレ姿勢指導
・飲水やトイレ間隔についてご説明
など。
もっともっと大切なのは、
アプローチ以上に「話をよく聞くこと」です。
デリケートな話だけど自分のことを信頼して
からだを預けてくれている。話をしてくれてる。
だからよくお話を聞いて不安を解消して
あげることもめっちゃ大切な役割だと思っています。
では、今日もここまでお読みいただき
ありがとうございましたー!!